◎○◎○◇◎○◎○◇◎○◎○◇◎○◎○◇◎○◎○◇◎○◎○◇◎○◎○◇◎○◎○◇  ====================================== ◇ 2005年07月16日 第4号  日本共産党・瀬古由起子(前衆議院議員)  ◇ 日本共産党衆議院比例   介護の改善・充実駆けめぐり       ◇ 東海ブロック事務所   --------------------------------------  ◇ 電話052-264-0833 FAX052-264-0850 ---------------------------------------- ◇ E-mail tokaiblc@ybb.ne.jp oooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooooo 【事業所訪問記】  ●施設の介護は家庭生活の延長――特別養護老人ホーム・平田豊生苑 --------------------------------------------------------------------------------  児玉克己さんという人の「黄泉(よみ)の国へ」という本にすっかり魅せられ、児玉さん が施設長をしておられる特養ホームの「平田豊生苑」(名古屋市西区平手町87)を訪問し ました。タップリとひげをたくわえた児玉さんは、困難も多かろう仕事を、楽しくてしか たがないという様子で語ってくださいました。ここに生活している人は「住人さん」と呼 ばれます。児玉さん自身、住人さんの一員としてなじんでいるようすがありありです。 ------------------------- 子どもたちといっしょに -------------------------  ここは保育園と高齢者の合築型施設で、保育園児160人、高齢者84人(ショートステイ 16人)が利用しています。足を踏み入れた途端、子どもたちのにぎやかな声が響き渡って いました。合築施設は他でも見られますが、たいていは1階と2階というように、画然と 分かれています。しかし、ここではお互いが自由往来です。もちろん、法的、行政的には いろいろ制約がありますが、差様々な工夫で最大限、壁が取り払われていました。子ども たちがバタバタ駆け回り、お年寄りがそれをニコニコながめる。時には、こどもたちが住 人さんの部屋にきておやつをねだったりします。「あのばあちゃんはいいぞ」「あのじい ちゃんはケチだ」とか、子どもたちは住人さんをよく知っています。  施設によっては入所者が亡くなると、「不安がらせないように」というので、他の人に 知らせないでひっそり通夜を済ませるところもありますが、ここでは違います。全館放送 で伝えられ、他の住人さんや職員はもとより、子どもたちもお花をもってお別れにやって きます。自分のおじいちゃんやおばあちゃんが亡くなったように、「死」を体験し理解す るのです。そして職員には、お酒を飲みながら目一杯、思い出を語る「楽しい日」になる のだそうです。 ------------------- 館内にも居酒屋が -------------------  玄関からはじめに案内されてお話を伺った場所は、入り口に何と大きな赤提灯。文字は 当然「居酒屋」と書かれていました。1階フロアに大きくスペースをとったこの「喫茶店 兼居酒屋」は、近所のボランティアの人たちが運営しています。お酒は毎日、昼間からで もOK。ちょっとビックリですが、ごく普通のご隠居さんであれば、むしろこれこそ老後 の楽しみですから、不思議はないのだとナットク。だから、喫茶店で一日の大半をすごす 住人さんもいます。また、食事時間も自由で、居住フロアの食堂で食べてもよし、喫茶店 で食べても自由です。ここで月1回は夜のバーが開設され、楽しい「飲み会」が催されて いるそうです。 -----------------------------  原点となった「3つの指針」 -----------------------------  最初から「素人集団で始めたのが良かった」と語る児玉さんですが、その出発から決め て実行した三つの「指針」があります。@「制服はやめる」A「役職で呼ばない」B「同 性介助」の三つです。その根本にあるのは、施設の生活は「家庭での生活の延長の場」 (「黄泉の国へ」)だということです。じっさいに見学したあらゆる場面で、「自分が、 自分の父母が、自分の祖父母がされたくないであろう介助はするまい」(同前)という姿 勢と方針が貫かれているなと、よくわかりました。  この施設は夜も9時まで完全無施錠です。外出した住人さんを探して警察に、「あんた とこ、鍵かけないの?」とイヤ味をいわれながらごやっかいをかけるのも度々ですが、 「住人さんを閉じ込めることは、自分自身が安易に介護を放り出すこと。もちろん、事故 が起きる可能性もありますが、職員は最大限の注意を払い、つねに家族の方にもこのやり 方を理解していただくようにしています。そして「全員を監視しなくても、不安定な人は せいぜい数人なので、みんなで気をつけていけば克服できることです」と児玉さんは言い ます。  職員は、お風呂もいっしょに裸で入り、背中を流しあいます。あがると住人さんが、 「まあ一杯」とビールをついでくれます。ビニールのオーバーオールに長靴などという家 庭ではあり得ないかっこうをすることは、ここでもあり得ません。そして、入浴やオムツ 交換などは「性」を大切にするために同性介助なのです。 ----------------------------- 「人間らしく」と海外旅行にも -----------------------------  「どこへ行きたい?」と聞いた答えが多かった香港への旅行にも。今までの「介護」の 常識を打ち破り、日々「人間らしく生きる」ために戦の毎日です。  最近では、大枚をはたいて電動の車イスを購入。これに乗って外出できるように練習し た人に「免許証」も発行しています。「10人くらいが電動車いすでいっせいに外出できた ら」と夢を描いておられました。  介護保険が改悪されたことはここでも大きな心配ですが、「将来は障害者もいっしょに 利用できないか。障害者から教わることはいっぱいある」と、前向きに検討しながら、児 玉さんの夢は広がります。 ---------------------------------- 【「黄泉(よみ)の国へ」定価1000円】 ---------------------------------- みちのりは決して「順風満帆」ではなかった。今も困難もある。しかし住人さんたちと歩 んできた道筋をたどり、「支えあい、ふつうに生きる」原点をみつめる書として、多くの 施設で働く人々への「一服の清涼剤」としてこの本は世に出された。 発行者:平田豊生苑 電話052-505-7201 --------------------------------- 【瀬古由起子ホームページ】 --------------------------------- http://www.seko-yukiko.gr.jp/ ----------------------------- 【瀬古由起子の無料介護相談】 ----------------------------- ●毎月第3火曜日。 どんな相談でもお気軽にお電話ください。 052−261−5901